面接に来た女の子がおしっこ漏らした
私の働く小さい建設会社で、事務員を増やすため中途採用で求人をかけた。
その時にやってきた一番年齢の若い女性が面接中におしっこを漏らした話です。
新卒採用で入ってきた新入社員が、すぐにやめて行ってしまう近年の傾向から、今回は適性検査と面接を用意した。
会社に合った人材かどうかを見ると同時に、何が出来ないか・何が苦手かを理解して、入社後に無茶や望んでいない仕事を振らないように検査する。
今回の求人で、小さい会社としては多めの5人ほど募集がありました。
年齢や経歴は様々でわりと年齢の若い方が多く集まり、採用となれば社内は元気に明るくなるのではと期待も十分。
適性検査と面接合わせて、一人当たり大体1時間ぐらい想定して1日で5人全員見ることにしました。
面接官は私と社長の二人対応募者1人。
お昼過ぎから順次行って行き、夕方の5時過ぎに最後の一人を見ることになります。
この方は年齢は24歳と若く社会人経験も短いのですが、誰もが知る有名大学を卒業しており一番期待値が大きい女性。
ところが4人目の方を面接している時に、この女性から電話があり路に迷っているのだそうでした。
わが社は埼玉某所にある工業地帯の中にある事務所なので似たような建物も多く迷ってしまうのも無理はありません。
電話を受けた社員も気を利かせて、焦らずに来てくださいと伝えてくれていたので、緊張せずに受け答えしてくれるのではないかと思いながら待っていました。
暫くすると会社のチャイムが鳴る音。私が出ると、息を切らした女性が。
履歴書の写真よりももっと幼く見えたリクルートスーツ姿のその女性は「遅れてすみません」とまず頭を下げました。
やはり緊張していたりアガっていると満足な受け答えも出来ないので、ここは落ち着いてもらえるよう努めます。
一旦落ち着いてもらうために、応接室に通してお茶をお出しました。
そして、準備も何もないのですが、「準備をしますのでしばらくお待ちください」と時間をおいてあげる優しさに自己陶酔。
5分ほどおいて面接をするため会議室に通しました。
彼女の期待値が高い分、聞き取りや質疑応答などを中心に自然と時間がかかってしまいました。
彼女が遅れて来たことを差し引いても30分ぐらいの延長戦。
このことが後に災いを巻き起こすとは思ってもみませんでした。
着席した時から感じていましたが、彼女は若干人より内股気味。
男としては、やはりそこに目が行ってしまうのが恐縮ですが、面接を行った会議室の机は透明なガラス張りで足元や机の下の様子が見えるようになっています。
そのため手元の資料を見るのと同じ視線に、彼女の足が見えてしまうのです。
時間が経つにつれて、椅子を座りなおしたり足をキュっと閉じたりと、もじもじする事が多くなる彼女。
この時何よりも先に気付いてあげるべきでした。
16時45分、返事をする声が無くなり、こちらの問いかけにうなづく事も無くじっとしていて様子がおかしいと思った時。
ガラス張りの机が彼女の方面からだんだんと曇ってきます。
彼女は完全に下を向いて、プルプル震えていました。
私よりも早く、この事態を飲み込めた社長が「あ!」と声を上げます。
続いて、曇ったガラス張りの机と、その下に見える床のシミ、彼女の股の部分もシミているのを見て私も理解しました。
私も社長もお互いどうしていいか分からず「大丈夫ですか?」とアホみたいに聞くだけでした。
彼女もすみません、すみませんとひたすら力なく謝るだけで、状況は一転しません。
すると社長が、上着を脱いで机の上にかぶせます。
それを見て私はナイスファインプレーなどと思いながらも若干落ち着き、まずおしっこ漏らしたところをおっさん2人が見ている状況がマズいと思いました。
女性社員に処理を任せようと一旦会議室から我々二人は退散。
中年の女性社員に事情を説明して任せる事に。
その後は社長と話した結果、長引かせたこちらに責任があり、悪い事をしてしまったと判断。おそらくこちらに来る時も到着が遅れてトイレに行く余裕もなかったのだろうと。
そしてクリーニング代と着替えを渡し、ここまでの時点で合否を決めて後日連絡する旨を伝えて女性社員に付き添われて帰宅していきました。
会社としてはとても申し訳ない事をしたという気持ちが大きく、その日面接した方たち全員合格、お漏らしをした彼女にも連絡しましたが、さすがに辞退されました。
それから数日間は会議室にはヘンな匂いが取れず、いまでもフロアカーペットの一部にはシミのような模様が残っています。