タトゥーは奴隷の印なんて古い?SM界でも変わりつつあるタトゥー事情
SMでは女王様への忠誠の証しや奴隷の証明として身体にタトゥーを入れるという文化があります。
しかしそれも時代の流れと共に変わってきています。
タトゥーを入れるにも今はあちこちにタトゥースタジオがあり、割と気軽にできます。
そして今では後でそのタトゥーを消すことも可能。
さらにある程度の期間で消えるタトゥーや貼るだけのタトゥーもあります。
そんな感じでタトゥーは何かの「刻印」というよりもファッションという意味合いが強くなってきました。
というわけでSMやタトゥーやその色々な意味や歴史についてざっくり紹介してみたいと思います。
そもそもタトゥーとは?歴史など。
タトゥーというのは人類の歴史と一緒にあると言っても過言ではないぐらい歴史が深い身体装飾の技術です。
紀元前の古代人の身体や古代エジプトのミイラからもタトゥーが見つかっているレベルの古さ!
しかもそれが世界各地で見つかっています。
そしてこうしたタトゥーの歴史も紆余曲折があり、異教徒の証しとして見られたり、ならず者の証しとして見られたり、見世物にされたりなどもあったそうです。
という歴史もありつつ、貴族のたしなみとして上流階級の人々にタトゥーが流行ったりなどもあり、そうやって衰退と興隆を繰り返しながら現在までタトゥー文化というのが連綿と続いている形になります。
日本でもタトゥーは刺青として古代から行われていて、特に盛り上がりを見せたのは江戸時代ぐらい。
肌を露出して仕事をすることが多い鳶や飛脚などの職業の人にお洒落として好まれたそうです。
刺青を身体に彫る「彫師」という仕事が登場したのもこの頃のようです。
刑罰としてのタトゥー
タトゥーには刑罰として使われてきたという側面があります。
身体に罪人の証しとなる印を刻印したり、刻印して追放したりなど。
一度入れてしまえば消すことができないというタトゥーの利点を使った形です。
その歴史は古代中国の「五刑」という文化にまで遡るそうです。
個体識別としてのタトゥー
こちらもタトゥーの「消せない」という特性を使ったもの。
装飾といった意味ではなく、身分や所属などを表す方法として身体へのタトゥーが歴史的に使われてきました。
罪人の管理や家畜の識別、有名な例ではナチスドイツの強制収容所で囚人の管理と識別に使われていました。
色々なタトゥーの種類
皮膚に針で直接入れるタトゥー以外にもタトゥーにはいくつかの種類があります。
こういったタトゥーは基本的に「消える」ことが前提になっているのでお手軽!
奴隷の証しとしても軽い気持ちで入れてみることができます。
①ジャグアタトゥー
ジャグアタトゥーは果物の果汁を使った染料で描くタトゥー。
これを皮膚の内部に注入するのではなく、表面にペイントします。
見た目はかなりタトゥーっぽい紺色~黒っぽい色に染まるのでかなりリアル。
ジャグアタトゥーは施術後、ちゃんと色が出るまでにだいたい一日ぐらいかかります。
期間もだいたい2週間~1ヶ月ぐらい持つので、強い意志がないけどちょっと入れてみたい!という人にはかなりおすすめになります。
②ヘナタトゥー
ヘナタトゥーは植物由来の原料で、ヘナという植物の葉を粉末にしてペーストにしたもの。
こちらもそれを身体にペイントする形で装飾します。
色はオレンジや茶色などに染まることがヘナタトゥーの特徴。
そのためあまりタトゥー感はなくどちらかというとボディペイントの延長という雰囲気です。
ヘナタトゥーもだいたい2週間~1ヶ月ぐらいの期間で消えるのでお手軽です。
施術の料金はジャグアタトゥーの半額ぐらいで安く、施術後は短時間で発色してくれます。
③タトゥーシール
いちばんお手軽なタトゥーがこの貼るだけのシールタイプのタトゥーです。
貼りたい場所に置いて水気を含ませたコットンなどで軽く押さえるだけでタトゥーっぽいことができてしまいます。
SM界隈のタトゥー事情
SMの世界では昔からタトゥーはタトゥーが刺青と呼ばれていた時代から、主従関係の証しとして身体に刻まれてきました。
奴隷や下僕といった自分の立場や仕える女王様の名前など、奴隷としての生涯忠誠を誓う意味で。
今でこそタトゥーはレーザーなどで消すことができますが昔はタトゥーは一度入れたら消すことができないものでした。
そのため奴隷として一生生きていく気概がないと入れることができません。
入れてしまえば女王様は喜び、奴隷としても誇らしい気分になれるものでした。
ですが最近はタトゥーというもの自体がファッションの一つとして認知されるようになってきたこともあり、「●●の証し!」のような堅苦しい意味入れる人はかなり少なくなっています。
掲示板やSNSなどで女王様側は奴隷の募集もかんたんにでき、M男側も女王様を探すことができる時代。
つまり代わりはいくらでもいます。
それで昔ほど一つの関係が長続きしにくいということもあり、SM界隈でも奴隷の証しとしてわざわざタトゥーまで入れる人は少数派になっています。
奴隷としてタトゥーを入れるデメリット
「女王様」と「奴隷」という、より強固な関係を築くことができる身体へのタトゥー刻印ですが、やはりデメリットもあります。
・主従関係が終わってしまった場合
これは女王様の名前まで入れていた場合がいちばん困ります。
他の女王様を見つけても、以前の女王様の名前を入れたままでは新しい女王様は気分が良くないはずです。
M男側はタトゥーを隠すか、消す以外に方法がありません。
・ファッションとして扱えないデザインの場合も多い
主従関係の証しとして入れるので、デザインによってはファッション性がなく人目に晒せないこともよくあります。
文字を刻んでいる場合は特に困りますね。
文字ではなく、一般的に見ても違和感のないような何らかのデザインを2人だけの主従の証しとして入れているのであれば、普通におしゃれタトゥーとして大丈夫ではあります。
その場合「主従」の証しとして入れるにはちょっとデザイン的に弱いかもしれません。
奴隷としてタトゥーを入れたい時は
奴隷の証し、隷属の証しとしてタトゥーを入れるのであれば、本来ならば女王様側が自ら奴隷の身体にタトゥーを入れなければ意味がありません。
しかし、人の身体に基本的に消えないというものを入れるのはなかなかの覚悟が必要。
素人でも針とインクによる手彫りやタトゥーマシンを使えば、身体にタトゥーを刻むことは全然できます。
できることはできますが、手先の技術だけではなくデザインのセンスやアフターケアの知識なども必要になるので正直かなり難しいです。
あえてダサいタトゥーを入れて屈辱感で興奮したいというのであれば話は別ですが笑
①お店でプロの人に頼もう!
女王様側にタトゥーを入れる技術や気持ちがないのであれば、大人しくタトゥースタジオで入れるのがいちばん安心です。
場所によっては自分自身でできないこともないですが、出来栄えは確実に後悔することになると思うのでやめておきましょう。
文字を刻む場合は入れたい文字を伝える時ちょっと恥ずかしいかもしれません。
でもタトゥースタジオは本当に色々な人が色々な目的と理由でタトゥーを入れに来る場所です。
SMの一環としてタトゥーを入れるということは、彫師の人にとってはそれほど珍しいことではない場合も多いので勇気を出して行ってみて下さい!
②必ず合意の上で入れる!
女王様自らM男に入れる場合はもちろん、M男がお店で入れる場合も女王様との合意のもとに行うようにしましょう。
これは絶対です。
入れても後で消すことは一応できますが、お金もかなりかかるし完全に消えない場合もあるからです。
M男が自分の身体に勝手に入れる場合でも、女王様側はそれを嬉しく思わない場合もあり得ます。
むしろ女王様によっては逆に引かれてしまうかもしれません。
そうならないためにも事前の合意は絶対にしておくように!
まとめ
そんな感じでSMでタトゥーを入れるという文化自体は今では少し前時代的なものになってきています。
しかし今はしばらく経てば消えるタトゥーもあって、ハードル自体は逆に下がってきています。
でも消えるのであればそこまで腹をくくることなく楽しめるので、今だからこそSMでタトゥーは逆にあり!という気も個人的にはします。
さらに最近では「エフェメラルタトゥー」という皮膚に針を刺して入れるけどインクは体内で分解されて1年で消える、という新しいタトゥーも登場してきている模様。
勧めるわけではないですが、タトゥー調教がどんどんやりやすくなっています!